テープで短刀補修

「天保2年から引き継いでいる短剣、神奈川教育委員会の文化遺産課に調査に出したらボロボロになって帰って来たんですが」。3月17日、短刀の所有者の関係者がTwitterに投降したツイートがまたたく間に拡散された。そのツイートには謝罪もなく、飾りも欠け、しかもセロハンテープで補修しているとつづられているとおり、一緒に投稿された写真には確かに短刀にセロハンテープが貼られていたという。同課は調査の結果、3月24日に対応に非があったとして所有者に謝罪したそうだ。
ツイートは1万5000以上RTされ、同課への非難が寄せられた。なぜこんなことが起きてしまったのだろうか?
担当者によると、短刀は3月16日に開催された教育委員会が主催する鉄砲刀剣類登録審査会に持ち込まれたものだったそうだ。都道府県の教育委員会は鉄砲刀剣類所持等取締法14条により、鉄砲および刀剣類の登録を行っているという。刀剣であればその鑑定のために柄を除き、刀身の銘などを確認するのだが、その際ガタついているものや紛失の恐れのある草食などが見受けられた場合、セロハンテープで仮止めをすることがあるのだとか。
通常のフローではそうした処理をするときは、所有者に事前に説明してから処置するそうだが、今回はその説明を怠ってしまったという。短刀はその日のうちに持ち主に返却され、すぐにツイートにもあったような処置に驚いたその関係者から問い合わせがあったという。
セロハンテープを貼った場所は、刀の鞘にあるさげ緒を通す「栗形」という部分と柄の先頭にある「柄頭」、そして装飾化された「目貫」の3か所だそうだ。いずれもズレていて取れかかっていたため仮止めしたとのこと。短期間であればセロハンテープでの仮止めも問題ないとの判断だという。当然、持ち主が審査会に短刀を提出した時はセロハンテープはなかったため、「壊れたところを補修したように見えてしまった」と説明不足を強調した。ズレていたのが元々なのか、それとも鑑定した結果起きたことなのかについては言及を避けたという。
担当者は今回のようなことは初めてだという。今後は所有者への説明と同意を取ることの徹底、処置についても改善すべき点は検討していくとのこと。持ち主と関係者にはセロハンテープでの仮止めの意図について改めて説明し謝罪。今後も継続して協議していくとしているという。
大切なものを預かるという意識が欠けているのではないだろうか、と思ってしまうような出来事だ。